福祉職を続けるモチベーション

はじめに

「福祉の仕事を続けるモチベーションって何やろう?」

改めて考えてみると、意外と難しい。

「子どもの成長がうれしい」
「人の役に立てる」
「やりがいがある」

もちろん、それもある。

でも、長く児童養護施設で働いていると、そんなきれいなことだけでは続けてこられなかったなと思う。

この仕事は、頑張ったからといって結果が出るわけではない。

子どものことを考えて関わったつもりでも全然伝わらないこともあるし、「これでいけるかも」と思った次の日には振り出しに戻ったように感じることもある。

子どもとの関係だけではない。

職員同士で考え方が違うこともある。
人が足りないこともある。
次から次へと対応しないといけないこともある。

「子どものために」と思っていても、職員に余裕がなければ、思うような支援ができないこともある。

正直、「福祉の仕事っていい仕事やな」と毎日思いながら働いているわけではない。

しんどい日は普通にしんどい。

それでも、気がつけば長くこの仕事を続けている。

なんでやろうと考えると、やっぱり子どもたちとの何気ない瞬間が大きい。

何回言っても伝わらなかった子が、ある日少し違う行動をする。
ずっと反発していた子が、ふと自分の気持ちを話してくれる。
一緒にしょうもない話をして笑う。

大きな「成長」ではなくても、

「あ、この子ちょっと変わったな」

と思える瞬間がある。

そして、その変化に自分たちの関わりがほんの少しでも影響していたのなら、やっぱりうれしい。

たぶん、そういう小さな出来事に何度も助けられて、ここまで続けてきたんやと思う。

ただ、年数を重ねて、立場が変わって、モチベーションも少し変わってきた。

若い頃は、もっと「自分が子どもに何かしてあげたい」という気持ちが強かった。

自分が関わって、自分が何とかしたい。

でも今は、一人の職員が頑張って何とかする支援は、長くは続かないと思っている。

難しいケースほど、一人で抱えたらしんどくなる。
しんどくなれば、子どもにも優しくできなくなる。
余裕がなくなれば、普段なら流せることにも腹が立つ。

それを「専門職なんだから頑張ろう」だけで乗り切るのは違うと思う。

だから今は、

「どうしたらこの子を支えられるか」と同じくらい、「どうしたら職員が支援を続けられるか」を考えることが大事なんじゃないか

と思っている。

主任という立場になってからは、子どもだけではなく、職員のことを見る時間も増えた。

悩んでいる職員と一緒に考える。
一人で抱えていたら他の職員にも入ってもらう。
うまくいかなかったら、「誰が悪かったか」ではなく「次どうするか」を考える。

自分が答えを出すというより、みんなで考えられるようにする。

最近は、そこにもこの仕事のおもしろさを感じている。

福祉の仕事には正解がない、とよく言われる。

本当にそうだと思う。

昨日うまくいった関わりが、今日はうまくいかない。
同じ年齢の子どもでも、同じ対応が通用するわけではない。

だから難しい。

でも、だからこそ考える。

「この子はなんでこんな行動をしたんやろう」
「今、この子に必要なことは何やろう」
「自分たちの関わり方を変えたら何か変わるかな」

何年働いても、これで完璧と思えることはたぶんない。

むしろ、経験を重ねるほど「分からないことが多いな」と思う。

それでも、みんなで考えて、やってみて、うまくいかなかったらまた考える。

その繰り返しが福祉の仕事なんやと思う。

「モチベーションを高く持ち続けないといけない」とは思っていない。

仕事に行きたくない日もある。
今日はしんどかったな、で終わる日もある。

それでいいと思う。

毎日「子どものために!」と熱い気持ちで働き続けるなんて、たぶん無理やと思う。

それよりも、しんどい時には誰かに助けてもらって、余裕がある時には誰かを助ける。

そうやってチームで続けていくことの方が大事なんじゃないか。

そして時々、

「この仕事しててよかったな」

と思える瞬間がある。

そのくらいでちょうどいい。

若い頃のように、自分が何かをして子どもを変えたい、という気持ちは少なくなった。

今は、

子どもも職員も、少しでも良い方向に進める環境をつくりたい。

そんな気持ちの方が強い。

それが今の自分が福祉職を続けているモチベーションなのかもしれない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました