― 支援者が健康で働き続けるために大切なこと ―
福祉の仕事は、
やりがいや想いだけで続けられる仕事ではありません。
支援する側が心身ともに健康でなければ、
良い支援を続けることはできないと感じています。
だからこそ求人を見るときは、
仕事内容だけでなく、
**「どんな環境で働くことになるのか」**にも
目を向けることが大切です。
福利厚生・休みの制度を見る
福利厚生
- 社会保険の加入状況
- 健康診断の有無
- 福利厚生サービスの有無
働き続けるための基本的な土台です。
季節休暇・特別休暇
- 夏季休暇
- 年末年始休暇
- 特別休暇の有無
制度としてあるかどうかは、
長く働くうえで大切なポイントです。
有給休暇の取得実績
- 取得率が示されているか
- 実際に取得できている雰囲気があるか
制度があっても使えない職場もあります。
実績があるかどうかは必ず確認したいところです。
育休・介護休業の実績
- 制度の有無
- 実際に取得した人がいるか
- 復帰後の働き方
ライフステージが変わっても
働き続けられるかどうかの判断材料になります。
退職金制度・各種手当
- 退職金制度の有無
- 夜勤手当・資格手当・住宅手当など
将来を見据えた制度や、
仕事量に見合った手当があるかも大切です。
休憩時間はきちんと確保されているか
- 休憩時間が制度上あるか
- 実際に休憩を取れているか
- 休憩中に業務対応が常態化していないか
福祉の現場では、
「休憩はあるけど実際は取れない」
ということも少なくありません。
短時間でも、
気持ちを切り替えられる休憩があるかは、
働き続けるうえでとても重要です。
残業・方針・働き方の線引き
福祉の仕事は、
どうしても線引きが難しい仕事です。
子どものため、利用者のためと思うと、
自分の時間を削ってしまう職員の姿もよく見かけます。
ただ、
支援者それぞれに家庭や生活があり、
同じ働き方ができるわけではありません。
残業を美徳としていないか
- 残業が当たり前になっていないか
- サービス残業が常態化していないか
- 「子どものためだから」と無理を強いられていないか
残業を美徳とする職場は、
長く働き続けるには厳しい場合があります。
方針・理念と現実の働き方
かつては、
住み込みで長時間子どもと関わることが
良い支援だと考えられていた時代もありました。
しかし今は、
その働き方を続けること自体が難しくなっています。
理念と現実の働き方が
きちんと合っているかどうかも、
大切な視点です。
身を削ることが支援ではない
何もしていないのに時間だけを気にするのは問題ですが、
身を削ることが良い支援だとも思いません。
- 宿直時間
- 拘束時間
- 実際の勤務時間
これらをきちんと区別し、
自分に合った時間の働き方を選ぶことが大切です。
福祉だからこそ、
限られた時間を全力で使うことが求められます。
人員配置・職員数を見る
- 常にギリギリの人数で回していないか
- 欠勤時のフォロー体制はあるか
- 新人を育てる余裕があるか
人員に余裕がない職場では、
一人ひとりの負担が増え、
結果的に支援の質にも影響します。
「頑張れば回る」が前提になっていないか、
慎重に見ておきたいポイントです。
相談できる体制があるか
福祉の現場では、
判断に迷う場面や感情が揺れる場面が多くあります。
- すぐ相談できる上司がいるか
- 職種を超えて話し合えるか
- 定期的なケース検討の機会があるか
相談できることは弱さではなく、
専門性の一部だと思っています。
制度だけでなく、
相談しやすい雰囲気があるかも大切です。
まとめ
求人を見るときは、
「どんな支援ができるか」だけでなく、
「自分が無理なく働き続けられるか」
という視点を持つことが大切です。
- 福利厚生や休み
- 休憩・残業の考え方
- 人員配置や相談体制
- 職場の雰囲気
これらはすべて、
支援の質につながっています。
福祉だからこそ、
限られた時間を大切にし、
その時間を全力で使える環境を選びたいものです。
最後に
この視点を持てるあなたは、
「楽をしたい人」ではありません。
長く、誠実に支援を続けたい人です。
その目線は、
これから福祉の現場に入る人にも、
すでに働いている人にも、
きっと役に立ちます。

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