はじめに|乳児院は「一時的に預かる場所」ではない
乳児院と聞くと、
「赤ちゃんを一時的に預かる施設」という
イメージを持つ人も多いかもしれません。
乳児院は、
家庭で育つことが難しい乳幼児が生活する場であり、
専門職が関わりながら支援を行う福祉の現場です。
この記事では、
乳児院がどんな場所なのか、
どんな関わり方が求められるのかを、
こどもふくしの視点からまとめます。
乳児院とはどんなところか
乳児院は、
おおむね0歳から2歳頃までの乳幼児が、
生活しながら養育を受ける児童福祉施設です。
家庭の事情や環境により、
家庭での養育が難しい場合に、
赤ちゃんや小さな子どもが入所します。
医療や保健とも連携しながら、
日々の生活そのものを支えることが
乳児院の大切な役割です。
乳幼児期に関わるということ
乳児院で関わるのは、
言葉で気持ちを伝えることが難しい
乳幼児が中心です。
泣き方や表情、体の動きなど、
小さなサインを読み取りながら、
一人ひとりに合わせた関わりが求められます。
この時期の関わりは、
安心感や信頼感の土台となり、
その後の育ちにも大きく影響します。
アタッチメントを大切にした養育
乳児院では、
アタッチメント(愛着)の形成を
とても大切にしています。
決まった職員が継続して関わることや、
抱っこや声かけなど、
日常の関わりを通して、
安心できる関係づくりを行います。
特別な支援というより、
当たり前の関わりを丁寧に積み重ねることが、
乳児院の支援の中心になります。
家族やその先を見据えた支援
乳児院の支援は、
子どもだけで完結するものではありません。
家庭復帰や里親委託、
その後の施設への移行など、
子どもの将来を見据えた支援が行われます。
関係機関と連携しながら、
子どもにとってよりよい環境を考え続けることも、
大切な役割の一つです。
社会福祉士の専門性が活かされる場面
乳児院では、
養育の現場に加えて、
家庭や関係機関との調整が必要になる場面も多くあります。
その中で、
社会福祉士の専門性が活かされることもあります。
相談支援や連携調整、
子どもと家庭を取り巻く環境全体に目を向ける役割として、
チームの一員として関わることができます。
乳児院の仕事に向いていそうな人
乳児院の仕事は、
すぐに結果が見える仕事ではありません。
- 小さな変化に気づける人
- 一つひとつの関わりを大切にできる人
- 落ち着いた環境で関わりたい人
こうした姿勢を大切にできる人には、
向いている仕事だと思います。
まとめ|静かな日常を支えるという仕事
乳児院の仕事は、
大きな出来事よりも、
静かな日常を支える仕事です。
その積み重ねが、
子どもが安心して育つ土台になります。
こどもふくしの仕事を考える中で、
乳児院という現場が、
一つの選択肢として心に残れば嬉しいです。


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