― 子どもの行動を“止める”関わりと、“育てる”関わり ―
はじめに
子どもの問題行動に直面したとき、
「今すぐやめさせなければならない」
そんな場面は、現場では日常的にあります。
注意する。叱る。ときには罰を使う。
それ自体を否定することは簡単ではありません。
ただ最近、
「罰と支援は、似ているようで全く別のものではないか」
と考えることが増えました。
今回は、
子どもの行動に対する関わりを
「罰」と「支援」という視点で整理してみたいと思います。
※あくまで一支援者としての個人的な考察です。
「罰」は行動を止めるが、理由は残らない
罰の特徴はとてもシンプルです。
- その場の行動は止まる
- 大人の言うことは一時的に聞く
- 目の前の混乱は収まる
ただし、同時にこんなことも起こりやすい。
- なぜダメだったのかは分からない
- 怒られない方法を学ぶ
- 見つからなければいい、という発想になる
罰は「即効性」はあっても、
行動の意味や理由までは残りにくい。
だからこそ、同じことが繰り返されます。
罰が続くと、子どもが学ぶもの
罰が積み重なると、
子どもは次第にこんなことを学んでいきます。
- 大人の顔色を読む
- 正解は「怒られないこと」
- 自分で考えるより、指示待ち
一見「従順」になったように見えても、
それは自分で判断する力が育っている状態とは言いにくい。
罰がコントロールになってしまうと、
信頼関係よりも力関係が前に出てしまいます。
「支援」は行動の“切り替え”を支える
一方で、支援の視点は少し違います。
- 行動そのものに目を向ける
- 感情ではなく、行動を整理する
- 次にどうすればいいかを具体的に示す
例えば、
- 「やめなさい」ではなく
→「今はここで止めよう」 - 「なんでそんなことするの」ではなく
→「次はどうしたらよかったと思う?」
正解を押しつけるのではなく、行動を切り替える手助け。
ここでは「関心」が重要になります。
関心を向ける・あえて向けないという支援
支援は、必ずしも
「声をかけること」だけではありません。
- 問題行動に過剰反応しない
- 落ち着いた行動をした瞬間に関心を向ける
これは
褒める・評価するというよりも、
「ちゃんと見ているよ」
というメッセージを伝える関わりです。
子どもは
「注目される行動」を繰り返します。
だからこそ、
どの行動に関心を向けるかはとても重要です。
子どもが学ぶのは「扱われ方」
子どもは、
- 何を言われたか
- どう説明されたか
以上に、
**「自分がどう扱われたか」**を通して
人との関係を学んでいきます。
- 落ち着いて対応された
- 一貫した関わりだった
- 感情で振り回されなかった
そうした経験の積み重ねが、
安心感や自己調整力につながっていくのだと思います。
おわりに
罰と支援の違いは、
「厳しいか・優しいか」ではありません。
- その場を収めるための関わりなのか
- 子どもの未来を見据えた関わりなのか
その視点の違いだと感じています。
現場では、
理想通りにいかないことの方が多いです。
それでも、
いま自分がしている関わりは
行動を止めるためなのか、
行動を育てるためなのか。
立ち止まって考える時間を、
これからも大切にしたいと思います。

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